「また消費税が上がるの?」そんな疑問、ありませんか?
スーパーでお買い物をしていると、ふとこんな疑問がわいてきませんか?
「どうして消費税ばかり上がるの?給料は増えないのに、生活はどんどん苦しくなる……」
実は、この疑問の裏には、私たちがあまり知らない「税金のしくみ」と「国の都合」が深く関わっています。
このシリーズでは、経済の専門用語はなるべく使わずに、私たちの生活とつながる視点で「税金のしくみと不公平」についてお話ししていきます。
第1回のテーマは、「なぜ消費税ばかりが上がるのか?」です。
消費税ってそもそも何?
消費税は、「モノやサービスを買ったときにかかる税金」です。
パンを買っても、洗剤を買っても、病院の処方薬以外の薬を買っても、すべてに一定の税率(2025年現在で10%/一部食品等は8%)がかかります。
つまり、誰でも払っている税金。しかも、金持ちでも、貧しい人でも同じ率で取られるのが特徴です。
どうして所得税や法人税じゃなく、消費税?
ここで素朴な疑問です。
「お金をたくさん持ってる人や企業が、もっと払えばいいのでは?」
たしかに、かつての日本では、そうした考え方が主流でした。
でも1980年代以降、「国際競争力」とか「企業にとっての魅力ある国」といった言葉が使われるようになり、企業の税金(法人税)や金持ちの所得税がどんどん下げられていったのです。
その穴埋めとして登場したのが、誰からでも確実に取れる消費税でした。
消費税の「一律10%」の裏にある不公平
表面上は「公平そう」に見える消費税ですが、実は次のような“逆転現象”が起きています。
つまり、低所得者ほど「生活のために多く消費し、税金の比率も高くなる」のです。これを「逆進性」といいます。
ダイヤモンドもおにぎりも同じ税率?
もう一つの疑問です。
「ぜいたく品も、日用品も、同じ税率って変じゃない?」
欧米では、こうした不公平を緩和するために、「軽減税率」や「ゼロ税率」が導入されています。
たとえばイギリスでは、
食品や子ども用品:0%
通常のモノやサービス:20%
日本では軽減税率といっても、ほんの一部の食品(外食を除く)や新聞に8%が適用されるだけ。生活必需品全般に配慮した制度とは言えません。
なぜそんな制度のまま放置されているの?
その理由の一つに、「制度を動かしている人たちが困らないから」という構造的な問題があります。
政策をつくるのは官僚(とくに財務省)
政治家はその案を追認するだけのことが多い
増税によって損をするのはふつうの市民や中小企業
そして、消費税は“安定した財源”として政府にとって魅力的。景気が悪くても確実に税金が入ってくるからです。
最後に:これって誰のための税金なの?
本来、税金は「みんなが助け合うための仕組み」です。
でも今の消費税の構造を見ると、それが企業や財務官僚にとって都合の良い税制になってしまっているのでは?と疑わざるを得ません。
「なぜこんなに苦しいのか?」
「誰がこの制度で得をしているのか?」
そんな視点を持つことが、今の日本の仕組みを見直す第一歩です。