インボイス制度はなぜ「実質的な増税」なのか?

時事問題
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「インボイス制度は増税ではありません」

政府はそう説明しています。

たしかに、消費税率が上がったわけでも、新しい税金ができたわけでもありません。

それなのに、なぜ多くの人が「これは増税だ」と感じているのでしょうか。

結論から言えば、これまで税金を払わなくてよかった人たちが、事実上、税を負担させられる仕組みになっているからです。

 

これまでの仕組みはどうなっていたのか

これまで、日本には次のようなルールがありました。

年商が一〇〇〇万円以下の小規模事業者は
 → 消費税を国に納めなくてよい(免税事業者)

フリーランスや個人商店、小規模な農家や職人さんなど、多くの人がここに含まれていました。

この制度は「得をしている制度」だと思われがちですが、実際には、

価格を自由に上げられない
事務作業を増やす余力がない

といった弱い立場の事業者を守るための仕組みでした。

 

インボイス制度が始まると何が変わるのか

インボイス制度が始まると、取引の世界で次のようなことが起きます。

インボイスを発行できない事業者と取引すると
 → 取引先が「税金の控除」を受けられなくなる

すると、取引先はこう考えます。

「だったら、その分をあなたに負担してもらいたい」

結果として免税事業者は次の二択を迫られます。

選択肢① インボイス発行事業者になる

この場合、どうなるか。これまで払っていなかった消費税を国に納める必要が出てくるのです。

インボイス発行事業者になると、たとえ年商が1000万円以下であっても、消費税を納める義務が発生します。

つまり、今までゼロだった税負担が新たに発生します。これはどう考えても、本人にとっては増税です。

選択肢② 免税のまま続ける

こちらを選ぶと、取引先から「消費税分、値下げしてほしい」と言われ、実質的に売上が減ります。

税金を直接払っていなくても、手元に残るお金が減るわけです。これも、生活や事業にとっては、増税と同じ効果です。

 

なぜ「ステルス増税」と言われるのか

インボイス制度が問題視される最大の理由はここにあります。

税率は上げていない
増税だとは説明していない
しかし、負担する人は確実に増えている

つまり、表では「増税していません」と言いながら、裏では負担だけが増えているのです。

この構造が「ステルス増税」と呼ばれる理由です。

 

影響を受けるのはどんな人たちか

特に影響を受けやすいのは、

フリーランス
個人事業主
小さなお店や農家
文化・芸術関係の仕事をしている人

共通点は、価格交渉が弱く、立場が弱いことです。

一方で、大企業や強い立場の企業ほど、影響は小さくなります。

 

「公平にするため」という説明の違和感

政府は「公平性のため」と説明します。しかし実際には、消費税は事業者が一時的に立て替えている税であり、立て替えられない人ほど苦しくなるという仕組みです。

結果として、弱い人に重く、強い人に軽い制度になってしまっています。

インボイス制度は、形式上は増税ではないのですが、実際には、新たに税金を払う人が増え、手取りが減る人が増えるという制度です。

だからこそ、多くの人が「これは実質的な増税ではないか」と感じているのです。

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