日本の皇室は「万世一系」の伝統をもって続いてきました。これは単なる歴史的事実ではなく、日本そのものの根幹を形づくる原理です。
その要は「男系による皇位継承」であり、この原則を崩すことは、日本の國體そのものを別のものに変えてしまうことを意味します。
近年、皇族数の減少や少子化を背景に「女性天皇」や「女系天皇」について議論されることがあります。
しかし、ここでは「男系継承を守る」という視点から、もし女性天皇を認める場合に生じる問題を整理してみましょう。
女性天皇と男系継承の区別
歴史上、8人の女性天皇は存在しましたが、彼女たちはすべて 男系の皇統の中での一時的な中継ぎ でした。
推古天皇も持統天皇も、いずれも父や夫が男系の天皇であり、次の男系継承へと橋渡しをする役割を果たしたにすぎません。
つまり、過去の女性天皇の存在は「女系天皇」を認める前例にはならないのです。
女系天皇は「別王朝」を意味する
女性天皇が即位した後に子をもうけ、その子に皇位を継がせるとどうなるでしょうか。その子は父系において皇統につながらず、完全に新しい血統=別王朝となります。
たとえ表面的に「天皇」の名を継いでも、それは日本の皇統ではなく、別の国家に等しい存在です。女系天皇を容認することは、万世一系を断ち切り、日本が日本でなくなることを意味します。
皇配(天皇の夫)の存在がもたらす危険
女性天皇が即位して結婚すれば、その夫が「皇配」として強い影響力を持つ可能性があります。
古代から外戚の権力化が政治を揺るがしてきた歴史を考えれば、このリスクは無視できません。
男系継承の原則を守らなければ、外戚の血筋が皇統を奪い、日本の國體を崩壊させる危険が生じます。
「中継ぎ」としての女性天皇は否定されない
ここで誤解してはならないのは、女性天皇そのものの否定ではありません。
歴史的にも、女性天皇が一時的に即位することで、皇統を守り、男系に継承をつなげてきた事実があります。
大切なのは、「女性天皇」と「女系天皇」を明確に区別することです。
女性天皇はあくまでも男系継承の流れを保つための一時的措置であり、女系天皇の正当化に利用されるべきではありません。
日本を日本たらしめる原則
日本の歴史と伝統は、世界に類を見ない「男系による万世一系」という皇統に支えられてきました。これは単なる制度ではなく、日本という国の同一性そのものです。
したがって、女系天皇を認めることは、新たな王朝をつくり、日本の國體を失うことを意味します。女性天皇を議論する際も、この絶対原則を揺るがすことがあってはなりません。
まとめ
歴史上の女性天皇は、男系継承を守るための中継ぎであった。
女系天皇は「別王朝」を意味し、日本が日本でなくなる。
皇配の存在は外戚権力化を招く危険がある。
女性天皇を認める議論は、あくまでも「男系継承を維持する」枠内で考えるべき。
万世一系の皇統を守ることこそが、日本の國體を守ることであり、私たちの責任です。

