普段何気なく使っている醤油ですが、「醤油は常温で保存するのか、それとも冷蔵庫に入れるのか」と聞かれると、意外と迷うものです。
さらに、元のボトルは冷蔵庫に入れるとしても、毎日の食卓で使う醤油差しまで冷蔵庫に入れたほうがよいのでしょうか。冷蔵庫から出した醤油差しは結露したり、液だれしやすくなったりすることも気になります。
そこで今回は、醤油の保存方法について、醤油差しの扱いも含めて整理してみます。
1 基本は「開封前は常温、開封後は冷蔵」
一般的な醤油は、開封前であれば常温で保存できます。直射日光を避け、温度が極端に高くならない場所に置いておけば問題ありません。
一方、開封後は冷蔵庫で保存するのが基本です。
醤油は塩分濃度が高いため、開封したからといってすぐに腐る食品ではありません。しかし、開封すると空気に触れるようになり、少しずつ酸化が進んでいきます。
酸化が進むと、醤油の色が徐々に濃くなり、本来の香りや風味も失われていきます。冷蔵庫に入れて低温で保存することで、この変化を遅らせることができます。
特に減塩醤油などは通常の醤油より塩分が低いため、開封後は冷蔵保存を心がけたほうがよいでしょう。
ただし、最近では空気が入りにくい「鮮度保持ボトル」に入った醤油も増えています。このタイプは開封後も常温保存できる商品がありますので、商品に記載された保存方法を確認するのが確実です。
2 では、醤油差しに入れた醤油は?
少し悩ましいのが、醤油差しに移した醤油です。
一般的な醤油差しは、元のボトルほど密閉性が高くありません。注ぎ口から空気が入るため、醤油を長期間入れたままにすると酸化が進みやすくなります。
品質を保つことだけを考えれば、醤油差しも冷蔵庫に入れたほうがよいということになります。
しかし、昔から醤油差しを食卓や台所に置いている家庭は珍しくありません。これは必ずしも間違った使い方というわけではありません。一般的な醤油は塩分が高いため、短期間で使い切るのであれば、常温でも比較的保存しやすい食品だからです。
そこでポイントになるのが、醤油差しに一度にたくさん入れないことです。
数日から1週間程度で使い切れる量だけを醤油差しに入れ、残りは元のボトルのまま冷蔵庫に保存しておけば、使いやすさと品質保持を両立できます。
3 醤油差しを冷蔵すると液だれしやすい?
醤油差しを冷蔵庫に入れていると、常温で使う場合よりも液だれが気になることがあります。
これは単純に「醤油を冷やすと液だれする」ということではなく、冷蔵庫と室内との温度差や醤油差しの構造が関係しています。
冷蔵庫から出したばかりの醤油差しは、容器も注ぎ口も冷えています。それを暖かい室内に出すと、空気中の水分が容器の表面に結露することがあります。特に湿度の高い時期には、この現象が起こりやすくなります。
注ぎ口付近に水分が付着すると、そこに残った醤油と一緒になって容器の外側を伝い、「液だれした」ような状態になることがあります。
また、醤油は冷えると粘度がわずかに高くなります。醤油差しの形状によっては、注いだあとに醤油がきれいに切れず、注ぎ口に一滴残りやすくなることもあります。
そのため、冷蔵保存が品質面では有利であっても、日常的な使いやすさという点では、必ずしも醤油差しまで冷蔵する必要はないでしょう。
4 「本体は冷蔵、醤油差しは少量」が使いやすい
以上を考えると、家庭で最も使いやすい方法は、開封した醤油の本体ボトルを冷蔵庫に保存し、醤油差しには短期間で使い切れる量だけを入れて常温で使用する方法ではないでしょうか。
もちろん、真夏の高温になる場所や直射日光の当たる場所、コンロの近くなどに醤油差しを置くのは避けたほうがよいでしょう。できるだけ涼しく、光の当たらない場所に置くことが大切です。
また、醤油差しに醤油を継ぎ足し続けるのもおすすめできません。使い切ったところで一度洗浄し、中まで十分に乾燥させてから新しい醤油を入れるほうが衛生的です。
結局のところ、醤油の保存は「すべて冷蔵庫に入れる」か「すべて常温に置く」かの二者択一で考える必要はありません。
開封前の醤油は常温、開封後の本体ボトルは冷蔵庫、日常的に使う醤油差しには少量だけ入れて常温で使う。
このように使い分ければ、醤油のおいしさを保ちながら、食卓での使いやすさも確保できます。毎日使う調味料だからこそ、保存性だけではなく、使い勝手とのバランスを考えるのがよさそうです。
