「国の借金」は誰の資産なのか?―「国の借金=国民の資産」という真実

時事問題
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日本では毎年のように、「国の借金が過去最大!」「国民一人当たり○○万円の借金!」というニュースが流れます。

それを聞かされると、私たち国民は、「国の財政は破綻しそう」、「子どもたちにツケを回すことになる」、「もっと節約しなきゃ、増税も仕方ない」と感じてしまいます。

しかし、この「国の借金」という言葉には重大な誤解があります。

結論から言います。国の借金とは国民の資産です。これは理屈ではなく、会計上の事実です。

 

国の借金とは「国債=政府が発行した日本円のIOU(借用証書)」

テレビや新聞が言う「国の借金」は、国家予算の赤字ではありません。その大部分は国債と呼ばれるものです。

国債とは、政府が「日本円を発行した証明書」にすぎません。

政府が国債を発行する
  ↓
銀行や日本銀行、年金基金などが購入する
  ↓
その代わりに「政府が利子を支払います」と約束する

これが国債の正体です。

つまり、国債は国民の資産(金融資産)として保有されているということです。

 

国債を保有しているのは「国民」

国債を買っている主な主体は、銀行、生命保険会社、年金基金、日本銀行、そして、それらの資金の原資は国民の預金・保険料・年金積立金です。

つまり、国債は最終的に国民の資産として保有されているのです。

国の借金が増える
 ↓
国債が増える
 ↓
国民の資産も増える

この関係を見ずに、「日本は借金まみれだ!破綻する!」と言うのは、あまりにも偏った見方です。

 

「借金=悪」というイメージは家計の話

財務省はこんな言い方をします。「国の借金は、国民一人当たり○○万円」。しかし、家計の借金と政府の国債は全く別物です。

家計:お金を使う側(通貨利用者)
 ⇒借りたお金は返さなければならない

政府:お金を発行する側(通貨発行者)
 ⇒円を返すことができなくなる状況は存在しない

政府は日本円の発行主体です。日本円建ての国債は、その政府が発行する通貨で返済できます。

つまり、政府は「返せなくなる可能性がない」という構造で動いています。

 

「国の借金=国民の借金」ではない理由

財務省のポスターなどでよく見かける言い回しに、「国の借金は家計で言えば借金と同じです」というものがあります。

しかし、それは完全なミスリードです。会計の観点ではこうなります。

国債は政府の負債、しかしそれは国民の資産という関係です。政府の負債は、国民の資産として会計上成立しています。

もし国債がなくなったらどうなるでしょう?国民が持つ金融資産が消えるということです。

「借金を減らそう」は、国民の資産を減らそうと言っているのと同じです。

 

国債が増えると日本は豊かになる

国債発行とは、政府がお金を発行することです。国債を発行すると財政支出が行われ、民間にお金が流れて家計や企業の預金が増えるのです。

この流れの結果、国債が増える=民間の預金が増える、つまり、国債増加=国民資産の増加という関係が成立します。

では、なぜ「借金」と言うのか? 理由は簡単です。増税と緊縮財政の口実になるから。

財務省にとって、最も困るのはこう言われることです。国債は返済不要、国債は国民の資産、増税は不要。

この事実が広まると、「財源がない」という言い訳ができなくなり、予算権限を握れなくなります。

だから「借金が大変だから、増税が必要です。」と言わなければならないのです。

 

結論:国の借金とは国民の資産である

まとめると、

国債=政府が発行した日本円のIOU(借用証書)
国債の保有者は国民
国の負債は国民の資産
国債は返済不要の構造で運営されている

だから、「国の借金」は、私たちの金融資産であり、国の借金を減らすとは、国民の資産を減らすことなのです。

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