カフェインと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、多くの人にとって「コーヒー」ではないでしょうか?
一方で、和の伝統飲料である「抹茶」にも意外とカフェインが多く含まれていることをご存じですか?
今回は、抹茶とコーヒー、それぞれに含まれるカフェインの違いと、それが体に及ぼす影響の違いについて解説していきます。
カフェイン量の比較:意外にも抹茶は高カフェイン?
まずはカフェインの含有量を比較してみましょう。
1杯あたりのカフェイン量(目安)
抹茶(2g)約30~70mg
コーヒー(150ml)約80~120mg
一般的にはコーヒーの方がカフェイン量は多いですが、抹茶を濃く点てれば(たてれば)、コーヒーに匹敵するカフェイン量になることもあります。
体に与える影響の違い:コーヒーは速攻型、抹茶はじんわり型
同じカフェインを含むとはいえ、その作用の仕方には大きな違いがあります。抹茶は「穏やかに」「長く」、コーヒーは「速やかに」「短時間で効く」という特徴があります。
● 抹茶に含まれる「L-テアニン」の働き
抹茶には「L-テアニン」というアミノ酸が豊富に含まれています。この成分はリラックス効果をもたらし、カフェインによる興奮作用を和らげる働きがあります。
このため、抹茶を飲むとカフェインはじんわり効きつつも、心は穏やかで集中しやすい状態に導かれるのです。
● 吸収のスピード:飲み方の違いがカギ
コーヒーは液体としてそのまま飲むため、カフェインがすばやく吸収されます。飲んでから30分ほどで覚醒作用が表れ、血圧や心拍数の上昇、不安感などが出ることもあります。
一方、抹茶は粉末ごと摂取するため、カフェインの吸収はゆっくりと進みます。そのため、カフェインの急激な作用が出にくく、長時間じわじわと効き続けるのです。
胃へのやさしさ:抹茶は空腹時にもOK?
コーヒーは胃酸の分泌を促すため、空腹時に飲むと胃を荒らすことがあるといわれています。胃が弱い方にはつらいこともありますよね。
一方、抹茶は胃にやさしい成分構成をしており、比較的空腹時でも安心して飲めるとされています(※ただし、濃い抹茶は除く)。
まとめ:どちらを選ぶかは目的次第
最後に、両者の違いを表にまとめてみましょう。
自分に合ったカフェインとの付き合い方を
気分をすっきりさせたい、集中したい、というときにはどちらも便利な飲み物ですが、その体への作用の仕方は大きく異なることが分かります。
すばやく目を覚ましたい朝や、短時間で仕事を片付けたいときには「コーヒー」
長時間の集中や、心を落ち着かせつつ作業したいときには「抹茶」
というふうに、目的に応じて飲み分けるのが賢い選び方かもしれませんね。