投票に行かないあなたを喜ぶ議員がいる—その理由とは?

時事問題
この記事は約3分で読めます。

“不参加”が生む静かな勝利

私たちが選挙に関心を持たず、投票に行かないとき――その沈黙の中で、ひっそりと喜んでいる政治家がいます。テレビで見せる笑顔の裏で、こう思っているのです。

「よし、今回も無関心が続いてくれて助かる」

なぜでしょうか? それは、あなたが投票に行かないことで、その議員にとって都合のよい「選挙環境」が整うからです。

つまり、「投票率が低ければ低いほど当選しやすい」仕組みに、彼らはすでに慣れきってしまっているのです。

 

投票率の低さが守る“既得権”

投票率が下がると、票の総数が減ります。すると、特定の組織票や支援団体からの票の“比重”が相対的に大きくなります。

たとえば、ある候補が普段から数万票の支援団体票を持っていたとします。

投票率が高くなれば、その票は「母数の一部」にすぎませんが、投票率が低ければ、その固定票だけで十分に当選圏に入れるのです。

つまり、あなたが投票を棄権すればするほど、「組織に守られた議員」だけが残り続ける政治になるのです。

こうした構図が繰り返されることで、本来多様であるべき議会が、似たような顔ぶれで固定化されていきます。

 

無関心な人々を前提にした政治運営

一部の政治家は、市民が政治に無関心であることを前提に、戦略を組み立てています。

わかりにくい言葉で政策を語り、説明責任を果たさず、議論を避ける。報道機関に圧力をかけたり、重要な法案を深夜に可決したりする―これらすべてが、「どうせ国民は知らないし、関心も持たない」という冷ややかな計算の上に成り立っているのです。

そして、実際に投票率が下がれば下がるほど、その思惑が現実となり、政治はますます市民から遠ざかっていきます。

 

投票しない=白紙委任

「誰に入れていいか分からないから」「変わらないから」――そんな理由で棄権する人も多いでしょう。

しかし、投票に行かないという選択は、「今のままでいいです」「あなたにお任せします」と言っているのと同じです。

たとえ現状に不満を持っていても、それを“意思”として表さなければ、政治家は「支持されている」と解釈します。

彼らにとっては、反対の声よりも「沈黙」のほうがありがたいのです。何も言わない人には対応する必要がないし、対応しないことに対する批判も受けにくいからです。

 

あなたが動けば誰かが動く

逆に考えてみましょう。もしあなたが投票に行ったら? その一票が、議員たちにとって「新しい風」の兆しになります。

「今まで投票してこなかった層が動き出した」と感じた瞬間、政治家は自分の選挙区の“空気”を読み直さざるを得ません。

選挙は数の勝負です。だからこそ、投票率のわずかな変化が、大きな議席の入れ替わりを生みます。

あなたが投票に行くことで、「既得権に守られた政治」を揺るがすことができるのです。

そして、あなたの行動は、家族や友人にも影響を与えます。「あの人が投票に行くなら、自分も行ってみようかな」―そんな小さな連鎖が、社会の空気を変えていくのです。

 

無関心は支配の道具になる

国民が政治に関心を持たず、声を上げなければ、政治は特定の人たちのものになってしまいます。それは、民主主義の名を借りた「少数支配」にほかなりません。

「投票に行かないあなたを喜ぶ議員」がこの国の政治を牛耳り続けてよいのでしょうか? 私たちの一票は、そうした議員たちに「NO」を突きつけるための最も確かな方法です。

静かな沈黙の中で、ほくそ笑んでいる政治家を、次の選挙で笑わせてはいけません。

タイトルとURLをコピーしました