「明るく、前向きに」
それが“良いこと”だと信じてきた。
けれど、いつしか私は、笑顔に疲れていた。
笑顔が“義務”のようになっていた日々
いつからだろう。
本当は落ち込んでいるのに、気づけば無理に笑っている。
心が疲れているのに、「元気です」と答えてしまう。
そんな日々が当たり前になっていた。
誰かの期待に応えたくて。
場の空気を重くしたくなくて。
迷惑をかけたくなくて。
だから私は、いつも笑っていた。
🔍補足:
社会的に「明るく元気でいること」は“正解”として扱われがちです。
しかし、それを演じ続けることで心がすり減ることがあります。
「笑顔」が習慣になると、本音に気づきにくくなることも。
「元気そうだね」と言われるたびに、少しだけ苦しくなった
「いつも明るいよね」「元気そうでいいな」
そんな言葉をもらうたび、私は笑って返しながら、
なぜか心の奥がチクリと痛みました。
「そんなふうに見えてるんだ」
「じゃあ、今日はちょっとしんどいって言えないな」
そうやって、また“明るい自分”を演じてしまう。
それがだんだんと、息苦しくなっていきました。
ポジティブに見える人ほど、心に静かな疲れを抱えている
私は気づきました。
“前向きにいようとする努力”が、いつしかプレッシャーになっていたことに。
もちろん、明るくいようとすることが悪いわけじゃありません。
でも、自分の気持ちを無視してまで元気でいようとすると、
それは「無理を重ねる」ことにつながってしまうんですね。
ありのままの気分で過ごす勇気
ある日、勇気を出して「今日はちょっと落ち込んでて」と口にしたら、
「そっか、そんな日もあるよね」と、あっさり返されたんです。
「無理に元気じゃなくても、誰も困らないんだ」
「むしろ、ちゃんと本音を言うほうが自然なんだ」
そんな当たり前のことに、やっと気づきました。
それ以来、気分に合わせて静かに過ごしたり、
何もしない時間を選んだりできるようになりました。
「ポジティブでいなきゃ」ではなく、
「今日はこんな気分だから、こうしてみよう」と選べるようになったのです。
🔍補足:
ポジティブであることは素晴らしい力ですが、
「無理をしないポジティブ」が心には一番やさしいのです。
ネガティブな気持ちも一時的な心の揺れとして受け入れれば、
結果的に自然な前向きさへとつながっていきます。
笑顔の奥で、がんばりすぎているあなたへ
もし今、あなたが「いつも明るくいなきゃ」と思いながら、
心のどこかで疲れを感じているのなら。
その疲れは、決して“気のせい”なんかじゃありません。
誰かの前では元気に見えていても、
自分の前では、どうか正直でいてください。
元気じゃない日もあっていい。
笑えない日があってもいい。
それでもあなたは、大切なままです。