「もっとできるはず」
「これくらいで疲れてちゃだめだ」
そんな言葉を、毎日のように自分に言い聞かせていた――。
「自分に甘くなったら、終わりだ」と思っていた私はずっと、「がんばることが美徳」だと思って生きてきました。
学生時代も、社会人になってからも、常に自分に言い聞かせてきたのは「人よりも努力すれば、いつか報われるはず」という信念でした。
体調が悪くても、気持ちが沈んでいても、「この程度で休むのは甘え」と、自分を責めながら働き続けていました。
だから、誰かが「今日はちょっと無理しないでおこうかな」と言うのを聞くたびに、心のどこかで「それでいいの?」とモヤモヤしていたのかもしれません。
休むことに罪悪感を感じる人へ
ある日、仕事中に突然涙が出てきて止まらなくなったことがありました。
何か大きなトラブルがあったわけでもない。ただ、蓄積された疲れがあふれ出ただけでした。
でも、私はそのときですら、「泣いてる時間がもったいない」と思ってしまったんです。
心よりも、効率や成果を優先してしまう自分が、そこにはいました。
「休んでもいい」と言われても、どう休めばいいかわからない。
「がんばらなくていい」と言われても、何をしていいかわからない。
そうやって、“がんばる”以外の選択肢を持たないまま、私はどんどん心をすり減らしていったのです。
ほんの少し“ゆるめる”ということ
本当に限界を感じたとき、初めて「がんばらない」選択をしてみました。
最初は、何をするでもなく、ただぼーっとして過ごすだけの時間。
それが最初は怖かったんです。「こんなことしてていいのかな」と。
でも、不思議と、心の奥で誰かが「ありがとう」って言ってるような感覚がありました。
長年押し込めていた本音が、やっと息をし始めたような気がしたんです。
“がんばらない”って、逃げじゃない
私はようやく気づきました。
がんばり続けることが「強さ」なのではなく、がんばらなくてもいいと認められることこそが、本当の意味での「自分への信頼」なんだと。
「今日は何もしなかったな」って日があってもいい。
「もう十分がんばった」って、声に出して言っていい。
それは、サボることでも、負けることでもありません。
“人として、自然なこと”だったのです。
最後に:あなたにも、やさしくしてあげてほしい
もし今、あなたががんばりすぎて、心が疲れているのだとしたら。
「こんなことで弱音を吐いてはいけない」と思っているのだとしたら。
ほんの少しでもいいから、自分にやさしくしてあげてください。
深呼吸して、何もしない時間を、自分にプレゼントしてあげてください。
がんばらなくても、あなたの価値は何も変わらない。
私はそう気づいたとき、初めて本当の意味で自分を好きになれた気がしました。