“どうせ変わらない”という思い込みが政治を変えられなくする
「政治を変えたいけど、どうせ私の一票じゃ変わらない」
そんな声を聞くたびに、私はもどかしさを感じます。
なぜなら、その“思い込み”こそが政治を変えられない最大の要因だからです。
一票は確かに小さな力かもしれません。しかし、私たち一人ひとりが「自分の一票には価値がある」と信じて行動すれば、それは大きなうねりとなって、政治を動かす力になります。
実際、選挙区によっては、数百票、あるいは数十票差で当落が決まった例もあるのです。
組織票とは何か? なぜそれが問題なのか?
組織票とは、労働組合や業界団体、宗教団体などが組織的に候補者を支持し、集団として票を投じることを指します。
これは合法であると同時に、民主主義の一つの形とも言えるでしょう。
しかし問題は、この「組織票」が実質的に選挙結果を左右してしまうほど強くなってしまっていることです。
組織票を確保している候補者は、選挙期間中に「あと◯万票あれば勝てる」という戦略を立てやすく、一般の市民に対しての政策訴求や対話をおろそかにする傾向があります。
一方、組織に属さない“ふつうの市民”の声は、バラバラになりがちで、選挙結果に直結しにくいと思われている。
だからこそ、私たちの一票には、まとまって行使するという“自覚”が必要なのです。
一人ひとりの無関心が組織票の力を強めてしまう
投票率が低ければ低いほど組織票の影響力は強まります。
たとえば、有権者の半数しか投票に行かなければ、残りの票は実質「死票」と化し、組織票だけで当選が決まってしまうことさえあります。
逆に、投票率が上がれば上がるほど、組織票の“相対的な力”は薄まっていきます。
つまり、私たちが黙っていればいるほど、政治は特定の団体のためのものになってしまうのです。
それを変えるには、「政治は自分たちのものだ」という意識を持って、選挙に参加することが必要です。黙っていては、何も変わりません。
市民がつながれば組織票の壁は超えられる
では、どうすれば私たち市民が組織票に対抗できるのでしょうか?
それは、自分の頭で考え、周囲とつながり、声を広げていくことです。
SNSで政策を比較したり、候補者の発言をシェアしたり、友人や家族に「一緒に投票に行こう」と声をかけたり。小さな行動でも、それが波紋のように広がっていけば、社会の空気が変わっていきます。
実際に、SNSなどを通じて若者の投票率が上がった地域では、政治家の政策内容に変化が見られたという報告もあります。私たちは、すでに影響を与え始めているのです。
“無関心”こそが一番の敵
組織票よりも怖いのは、実は「市民の無関心」です。何もしない、何も考えない、その“空白”が、最も政治を歪める温床となります。
政治に関心を持ち、自分の言葉で意思を示す市民が増えれば、政治家は変わります。
彼らは“票”を見て動く存在です。だからこそ、組織に属していなくても、私たちの一票が集まれば、それは強大な力になります。
あなたの一票が未来を変える
最後にもう一度、強く伝えたいことがあります。
政治を変えるのは、政治家でも団体でもなく、私たち一人ひとりの行動です。
選挙に行きましょう。そして、自分の言葉で語れる一票を投じましょう。
組織票の壁は厚いかもしれません。けれど、それを乗り越えられるのは、私たち市民の“意思”と“行動”しかありません。
あなたの一票が、変化のきっかけになることを信じて。