数学を勉強していると、「公理(こうり)」とか「定理(ていり)」という言葉を耳にすることがありますよね。
どちらも何だか難しそうな響きですが、実はとてもシンプルな違いがあります。
今回はこのふたつの言葉の違いを、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。
■ 公理とは?──「最初に決めるルール」
公理というのは、「証明しないけれど正しいと最初からみなすルール」のことです。
たとえば、将棋やオセロをするとき、「この駒はこう動かす」とか「相手の駒をこうやって取る」といったルールを最初に決めますよね。それと同じで、数学にも「これはもう証明しなくてもOKとしましょう」と決める基本のルールがあるんです。
これが公理です。
たとえば、ユークリッド幾何学という分野では、
「2点があれば、その2点を通る直線はただ1本だけ引ける」
というのが公理として採用されています。これは「証明する」のではなく、「最初から正しいことにする」ものです。
■ 定理とは?──「ルールに基づいて導かれる結論」
一方で定理というのは、公理やすでに証明されたことをもとに、新たに証明された命題(主張)のことです。
つまり、「この前提に従えば、こういうことも言えるよね!」と論理的に導き出された発見が定理なんです。
たとえば有名な「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」は、
「直角三角形において、斜辺の長さの2乗は、他の2辺の長さの2乗の和に等しい」
という内容ですが、これは公理から論理的に導かれ、証明されたから「定理」になっているんですね。
■ イメージで整理してみよう
もっとざっくりイメージでいうと、こんな感じです:
公理:ゲームのルール(最初にみんなで決める)
定理:そのルールをもとに考えた作戦や結論(ちゃんと理由がある)
■ まとめ
公理:証明なしで正しいとする前提
例「2点を通る直線は1本」など
定理:公理などから導き出される結論
例 ピタゴラスの定理など
数学の世界では、まず「公理」というルールがあり、それをもとに「定理」という新しい発見が積み上がっていきます。
ちょっと難しそうに聞こえるかもしれませんが、イメージがつかめるとぐっと身近に感じられるはず。
ぜひ数学の奥深さに触れてみてくださいね!